こんばんは、彗光でございます。
今日は、LiSAさんの「炎」という曲を皆さんにご紹介させていただきながら、「人同士で繋ぎあう心」について書いていきたいと思います。
「炎」について
この曲は「ほのお」と書いて、「ほむら」と読みます。
2020年で大ヒットとなったアニメ映画「鬼滅の刃 無限列車編」のエンディングテーマとして採用され、劇中のテーマとシンクロする楽曲として、多くの人の心をつかみました。
「ほむら」というのは「焔」と書くこともできるもので、「焔摩」と書くことで「えんま」と読みます。
地獄の門番である「えんまさま」を表す言葉になる訳です。
「ほむら」は「ほのお」と同じように「燃えさかる火」のことを表すのですが、「ほのお」より「より命のほのお」を示すことが多いんですね。
つまり、単なる「燃焼」ではなく「命の灯(ともしび)」を表している訳です。
「炎」から感じる「人を大切にする」ということとは
さて曲の解説をしていくのですが、今回は「鬼滅の刃」のことは関連がないものとして書いていきます。
皆さんは、普段の生活で「人の優しさ」というのをどういった時に感じるでしょう。
「何か気を使った言葉をかけられたとき」でしょうか。それとも「背中を押してもらったとき」でしょうか。
世の中にはさまざまな形の優しさがあり、その一つ一つに助けられるものですよね。
基本的に「優しさを与える側」と「優しさを与えられる側」というのは、その感情を通して二人とも幸せになるものではないでしょうか。
与える側も与えるられる側も、「優しさ」で失うものはない訳です。
でも、もし「相手と優しさ」を分け合う中で「失うもの」があるとしたら…それが「命の灯(ともしび)」だとしたら、皆さんはその「優しさ」をどういった思いで受け取りますか。
この「炎」という曲は、そういった「自分を犠牲にしても伝えたい想いと、辿り着きたい未来」を通して感じる「力強い優しさ」の曲だと私は思います。
本来「優しさ」というものは、自分も幸せにならなければなりません。
なぜなら、優しさを分け与える中で自分が不幸になれば、相手はその優しさを「両手放し」で受け取れないからです。
自分の幸せを「前提にした」、相手に与えることができる「幸せ」な訳です。
でも、大切な人を守ったり、多くの人を助けるために「自分を犠牲にしないといけない場面」というものも、この世にはあるのです。
仮に相手がそれで泣いたとしても、「生きてほしい」という一方的な願いを叶えるために与える「優しさ」というものが存在するのです。
この曲は「燃え盛る旅=戦火の中」の曲ですので、現実に「今」を生きる私たちと環境は違うかもしれません。
戦いで命を落とすということを経験することは、きっと私たちはないでしょう。
でも、日々生きていく中で「自分を賭してでも守りたい存在」という概念や、「守ることによって失われるものがある」という現実は、私たちの世界でも存在するはずです。
「炎」はそういった、「心から大切な人を何を賭してでも、進ませる場面があること」を私たちに教えてくれるのです。
賭した命を託された立場
ここまで「自分を賭してでも、誰かに賭けること」を書いていきましたが、実はこの曲は「想いを託す側」の情景ではなく、「想いを託された側」の目線で進んでいきます。
「命をかけて守られた側」としてこの曲の主人公は、悲しみに暮れずに前を向いて歩くこと決心します。
しかしながら、2番のAメロで電子オルガンを中心に「過去を振り返る」ような伴奏があったり、「守りぬくと誓った」後に「言葉にならない叫び」があったりと、簡単には想いに整理がつかない描写もあります。
それでも、「振り返らずに進むから」と最後に力強い決心をし、託された想いを胸に前に進むところで曲の終わりを迎えます。
大切な人の「死」に対して、突然すぎる現実を受け止められない状態から立ち直り「前を見ようとする姿」は、「自分を守ろうとしてくれた想い」の大きさをきちんと理解しているからでしょう。
この曲の主人公は、そういった「託された想い」と「願い」から目を背けずに受け取れる、これもまた「優しい人間」なのだということが分かります。
「自分が命を賭して託された立場」になることによって「もう何も失いたくない」という意志と、その先にある未来を強く強く、願っていくわけです。
さいごに
「炎」はそういった、私たちが日常で感じる機会を失った種類の「優しさ」と「想い」を示した曲なのだと思います。
昨今、「『他人に深入りすること』というのは良くないこと」とされる風潮があります。
ですので、他人に対して感情のエネルギーを与えることは少なくなってきていますし、そのエネルギーを元にして行動することはなおさら減ってきている訳です。
しかし「強い思いを誰かに託し」たり、「自分を不幸にしても人を守ること」というのは、頻繁に起きればいいというものではありませんが、その大切さは失われてはいけません。
LiSAさんは、こういったさまざまな「感情」や「大切なこと」を枯れたような声や、細かなビブラートの使い分け、強弱でしっかりと歌い上げています。
この方がこういった「曲の意味」を私たちに伝えてくれたからこそ、素晴らしい歌になったのだと何度も聴いて思いました。
「人を大切にすること」や「人の想いを受け取ること」を忘れぬよう、私たちも「炎」を聴いてその熱さを持ち続けていきましょう。
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