許す…「allow」と「forgive」の違い
この差異をもう少し詳しく調べるため、私は海外の文献の原文を調べてみることとした。
すると、「許す」という言葉は「Forgive」という言葉が使われていることが多いことがわかった。
日本人にとって、英語で「許す」という意味を表す言葉で馴染みが深いのは…どちらかというと「Forgive」ではなく「Allow」なのではないだろうか。
この「Forgive」と「Allow」にはどういった違いがあるのだろう?
結論から言うと、「Allow」は日本語に訳すときには「許す」という言葉が充てられ、「Forgive」を日本語に訳すときには「赦す」という言葉が充てられることが多い。
この「許す」と「赦す」にはどういった差があるのかというと、「許す」は「許可」を示すことであり、「対象となる物事が履行することを良しとすること」を示しているのに対し。
「赦す」というのは、「対象とする物事を受け入れること」を意味している。
ちょっと分かりにくいので、具体的な例を出してみたいと思う。
例えば、友達がたまたま水たまりを踏んだとする。
その水が、自分にかかってしまった…それに対して、その行動を「許す」といったときと、「赦す」といったときの違いがどういったものなのかを説明してみる。
「許す」の場合、「いいよいいよ、後で洗濯するし汚れていい服だから全然気にしないで!ちょっとぐらいは汚したっていいよ!」という意味になるのだが、
「赦す」の場合、「うーん、まぁそんなときもあるよね…まぁしょうがない、しょうがない」という意味になる。
「許す」の場合は、似たようなことが同じように起こっても気にしない!ぐらいの意味があるのが、「赦す」の場合は「その物事の正当性を認めているわけではない」という意味がある。
ここが大きな違いである。
だから、海外の書籍を訳したときに「過去を許しましょう」という内容と、「その痛みを昇華させましょう」という内容が併せて書かれているのは、おかしなことではないわけである。
コメント